09121
 アムロが会議から戻ると、ベルトーチカが、彼のベットで眠っていた。
彼を待っている間に、眠ってしまったのだろう。
アムロはドアを閉めて、椅子に上着をかけて、体を伸ばした。

そしてベットで眠っているベルトーチカを覗いて、微笑んだ。
成り行きとはいえ、一度は愛し合った仲、彼は彼女のことを想い始めていた。
しかし、アムロは過去を忘れた訳ではなかった。

 彼はそれを背負い、今も生きている。
アムロはベルトーチカを起こさないように、彼女の髪に触れた。
柔らかいそれは、黄金の糸だ、と彼は思った。
アムロは立ち上がり、風呂場に向かった。

温かいお湯が上から降り注ぎ、アムロの体を癒やした。
シャンプーが彼の体を滑り落ちた。
風呂場からタオル一枚で上がって、ベットの端に腰掛けると、髪を拭いていた。

 目覚めたベルトーチカの目の前に、アムロの背中があった。
彼女はとても綺麗だわ、と思った。
そしてベルトーチカは彼の背中に触れた。
彼は振り返ると、その彼女の手を握った。

「起こしてしまったようだな」
そう言って、にっこりと笑う彼の唇をベルトーチカは奪った。
「アムロ、私を愛して」
「ベルトーチカ、僕からも言わせて欲しい。君が好きだよ」
「……本当に?」

 彼女の瞳から涙が零れた。
そんなベルトーチカを、彼は抱きしめた。
「泣くことはないだろ」
「だって、だって、アムロ!」
「嘘はつかないよ」
まだ信じられないと言いたげなベルトーチカの唇を塞ぐとアムロは、彼女を押し倒した。
「ベルトーチカ」

 
 甘い吐息が二人を包み夜が更けた。



090414
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