酒の席
ほんのり香る
米や君
 

白い手を
見ては頷き
酒注ぐ
 

最後に見たのは後ろ姿だった
今でも瞳の奥に息づく君
僕の幸いはいったい何処へ
僕の記憶が無くなろうとも
君はここにいるんだね
 

冷たい夜風は体に毒だよ
彼女は言った
僕が振り向いたとたん
彼女は音を立てて
黒い
広い
海に落ちた
 

赤いジャケットに穴がある
あいつに打たれた痕
顔に手を置けば
違う顔
いろんな人になる
そうしてあいつに近寄って
眠らせれば
金銀財宝を頂いて
とんずらだ
遠くに聞こえる
サイレンは
いつもの常連
懲りずに俺の尻を追いかけてやがる
金は天下の回りもの
俺も天下を駆け巡り
欲しいものは手にいれるさ 
 

 

 

南風 あの日の僕の気持ちを  
運んでくる 

南風 あの日の彼女の匂いを 
運んでくる 
あの日 僕らはここにいた 
南風 僕らの心を一つにしてくれた 
南風 僕らの体を包んでくれた 

 君がいたあの日 



彼女の体はハスの花のように白く 
彼女の瞳はナイル川のように青く 
彼女の声は凛と咲くハスそのもので 
彼女の髪は黄金にも似て……。 
彼女の体がかさなる 
彼女の手がかさなる 
彼女の唇がかさなる 
彼女の全ては私の為に生まれたかのようで……。 
彼女のその黄金の髪に触れるだけで 
私は至福の時を得るだろう。 
水の中の彼女はなんともなまめかしく 
眠りの中の彼女は抱きしめたくなる 
光の中の彼女は守りたくなる 
腕の中の彼女はもう離さない 
彼女の全てはまるで私を待っていたようで……。 
(こちらの作品は『王家の紋章』のメンフィスの気持ちになって創作してみました。) 


一人っきりのこの世界で私は彼を愛してしまった 
幾度となくあなたから引き離されて、何度涙したことか 
なんとしてもあなたの腕の中に帰りたかった 
あなただけが私に安らぎを与えてくれるの 
でも何故 
彼らは私たちを引き裂くの 
ナイル色の瞳が私の気持ちを表しているというのに……。 
この世界に 
興味がたえない私 
危険がたえない私 
あなたの愛が無限にある私を 
あなたから離して欲しくない 
(こちらの作品は『王家の紋章』のキャロル視点で創作しました。) 



こんなくもった日には、鳥になればいい 
こんなくもった日には、猫になればいい 
ほら、君が思っているほど 
憂鬱じゃないだろ 
くもった日には、家にこもればいい 
くもった日には、屋根裏にこもればいい 
ほら、君はいつもと違う一日をおくれるだろ 
こんな日には、歌を歌えばいいし 
叫んでみるのもいい 
だってほら、君を振り返って見る人もいるだろ 
(曇りのち雨の日に学校で創作) 



いつでも君は僕を責めるんだ 
あれがだめこれがダメ 
君はいつか僕を殺すかも 
いや君が僕に殺してくれと言うかも 
なぜこんなに死にたいんだ 
なぜそんなにも君は…… 
僕のことを一番知り尽くしているのは君なんだ 
だから僕には君がいないと 
君がいないと…… 



行けども行けどもこの道は続くんだろう 
ながいながい道なのだろう 
なにか 
近道がないかと探す 
さればこそ近道 
(上記二つはたぶん『二十歳の原点』読んだあとに創作した奴) 



愛してるって言ってたっけあいつ 
俺のことを知りもせずに 
俺に干渉して 
勝手に傷つけて 
バカな女 
愛が何かなんて、忘れた 
愛があったなんて、今さら知りたくもない 
愛ってなんだ 
(『クロサギ』の黒崎視点で創作)