お前は知らない、俺の気持ちを……。 馬鹿だな俺も、パンツ見たぐらいで赤くなってさ。 レインに触れる時、感情を押し殺している、俺。 いつまでこんな旅が続くんだろう。 こんな旅……。 俺の目的は、デビルガンダムを倒して、大会で優勝して、父さんを助ける。 それだけだったはずだ。 でも、いつも俺はレインのことを目で追っていて、 そんな自分に気が付いても…… レインは元先輩のことをまだ好きかもしれないな。 旅が終わったら、あいつの所に戻るのか?? そんなことは聞けない。 「レイン、日も暮れて来た。今日はこれまでにして置く」 シャイニングガンダムのコックピットにいるであろう、レインに声をかけた。 しかし、返事がない。それだけでドモンは不安になった。彼女の安否の確認を急いだ。 「レイン、いないのか?」 コックピットを覗くと、レインが眠っていた。 メンテナンスは終わったのだろう。用具は綺麗に片付いていた。 「疲れていたんだな。ずいぶん連れまわしているからな」 ドモンはレインの髪に触れた。その時、自分の指が濡れていることに気が付いた。 ドモンは、体を拭かないままに、ここに上がって来てしまったらしい。 「寝かしといてやるか……」 ドモンはコックピットから離れた。 「これでいいな。レインは寝ているし、自然乾燥というやつだ」 ドモンは女子がいないことをいいことに、全裸で涼んでいた。 「最高だな。そういえば、師匠と修行していた頃はこれが普通だったな」 そう思い出したのも、つかの間、自分が今師匠とは敵同士だということを、思い出した。 考えたくもないことだろう、自分を育ててくれた人が自分を潰しに来るのだから。 「師匠……」 ドモンは小鳥の鳴くような声で言った様だった、その声は女性の悲鳴にかき消された。 「レッレイン!?」 「ドモン!?」 「あのっこれは、べつにっ!! 」 背後から聞こえた悲鳴はレインのもので、驚いたドモンは後ずさり、ドボン。 せっかく乾かしていた、その体をまた水に付けてしまったのだった。 「ドモン、火が付いたわ」 「ああっ」 夜になり、気温も下がって来ていた。 火の側に座るドモンは、武者震いをしている。 「大丈夫、ドモン?」 「平気だ。これくらい」 そう言ってまたブルリと体を震わした。 そうやって縮こまり、しおれていると、いつもの 有り余った元気が見当たらない。 黙って火を見つめている、彼は何を考えているのか? 彼女には計り知れない。 ドモンは知らない、私の気持ちを。 パートナーとしての私。 そうとしか、見てくれなくて……。 寝たふりをしていても、髪を触るだけ。 寝かせとこう、なんて気遣いまで。 いつものドモンなら、寝てても関係ないな、って。 ドモンだけ大人で嫌だ。 ドモン、私が誰のことを好きか、知ってるよね? Gガンダム